スキップしてメイン コンテンツに移動

診療施設体験実習レポート(1)

 3月11~17日の一週間、診療施設体験という選択科目で3人の2年生が診療所に来てくれました。

 この実習は、2年生と4年生でおこなわれます。附属病院の各診療科で受入れています。年度末で色々行事もあり、応募してくれる学生さんは多くはいません。今年度は、2年生15人が応募し、そのうち3人が土佐山診療所を希望してくれました。診療所の受入れ能力の問題もあり、毎日2人ずつ来てもらいました。

 学生さんからのレポートを順次、御紹介します。

 まずは、手塚さんのレポートです。いい実習になったようです。また、実習においでください。お待ちしています。
------------------------------------------------------------------------------------------

 3日間の実習で、机上の勉強では得られないたくさんのことを学ぶことが出来ました。
 私は神奈川県横浜市出身のいわゆる都会っ子なのですが、私の出身の町は横浜の中でも下町で、高齢化が進んで地域医療の大切さが見直されています。私も小さいころから同じ医師に診ていただいていて、家族構成、罹患歴、小さいころからの性格等知っている医師は、私、そして私の家族の大きな味方です。
私の祖父は認知症で、家族で壮絶な介護をした経験があります。その時も祖父は勿論、家族が家庭医の先生に大変お世話になりました。
 そんなことからずっと家庭医に興味を持っていて、今回実習を希望しました。

 実習を通して一番思ったことは、診療所全体が患者さんの味方、患者さんそれぞれに合った医療を考えているということでした。松下先生のことばをお借りすれば、cureよりもcare。患者さんは一人一人違うゴールを持っているのだから、患者さんに寄り添って、患者さんそれぞれのゴールに向かって一緒に歩いていくことが大切。非常に感銘を受けました。
 今回実習中に東日本大震災が起きました。大きな被害を受けた地域の中には、きっと独居のお年寄りを多数抱えているところもあるだろうと思います。この災害が起きた時この実習を行っていたことによって、より一層色々と考えさせられました。今は被災地で何が望まれているのか、医学生である私たちに何が出来るのか。また、私が将来医師になった時に同じような事態が起きたら何が出来るのか、何が求められているのか。
 母からの連絡によると、横浜でもこの地震によって大きな混乱が起きているようです。土佐山と横浜には求められていることに違うことはたくさんあると思うけれど、医師がそれぞれに合った医療を提供すべきであるという点は同じであると思います。将来のことはまだよくわからないけれど、自分の地元に貢献したいという気持ちはとても大きいので、その時にこの気持ちを大切にしていきたいと思います。

 2年生を終えて、テスト勉強にしか目が向いていない自分に腹立たしさを感じていました。将来今している勉強は役立つと分かっていても、目の前のテストに合格していくことしか考えられず、入学当初の志を忘れていました。
 実習で、モチベーションは上がり、志も新たになりました。そして、学生時代にたくさん勉強して、患者さんやスタッフの方と信頼関係が築ける医師になりたいと思いました。

 阿波谷先生、松下先生、看護師さん、事務スタッフの方々、患者さん、本当にお世話になりました。皆さんの温かい心に触れ、たくさんのことを学びました。成長してまた参りますので、その時はまた優しく厳しくご指導くださいね。



コメント

このブログの人気の投稿

高知の方言調査!!

4月に入りました。 雨が降ったり、寒くなったりと天候が優れません。 みなさんの体調はいかがでしょうか。 さて以前に医学科3年生が臨床現場での土佐弁の研究で訪問しておりました。 (記事: http://blogs.yahoo.co.jp/tosayamaclinic/38636193.html ) 現在は臨床現場でより使われる土佐弁リストを作成中のようです。 先日、現在作成中のリスト、またリストにない土佐弁についてみなさんの意見を集めたい、との趣旨でポスターを持参して訪問してくれてました。 ポスターについてコメントを募集中しておりますので、どしどしお寄せ下さいませ。 (森尾)

高知大学医学部へき地医療実習(11月)

10/31-11/1に高知大学医学科5年生のへき地医療実習で、臼井真菜さんと廣辻敬士君が土佐山に来られました。2週間で県内の市中とへき地の医療機関、介護老人保健施設、特別養護老人ホーム、保健所で実習を受け、大学附属病院の外でどのような医療、介護、福祉が実践されているのかを学習します。郡部では高齢化が進んでいること、診療所には高度な医療設備はないが、BPSモデル、地域志向の医療などを活用した医療について講義し、具体的にどうするのかを実際の診療で説明しました。また、患者さんのお宅にも保健師さんと訪問してもらい、生活背景の重要さを実感してもらいました。今後、どのような分野に進もうとも、患者さんを理解するように努力する医師になってほしいと思います。臼井真菜さん、廣辻敬士君、頑張ってね!

3月のへき地医療実習

高知大学医学科5年生の林青空さんが当院でへき地医療実習を受けられました。本年度最後の実習でした。外来診療の見学、問診、ケアマネジャーとの患者さん宅訪問を通して、2日間へき地における医療を学んでもらいました。2週間の地域医療実習を通して、医師が関わっている施設(残念ながら今回は保健所実習がありませんでしたが)で学びましたが、それぞれが何かしらのつながりを持ち、患者さんを中心として保健・医療・福祉の方が動いている感覚を実感してもらえたと思います。林さんの成長に少しでも役立ったのでしたら幸いです。 林さんも最終学年となります。勉学はもちろんのことですが、今しかできないことにも精一杯取り組んでほしいと思います。(松下)