春休みを利用して、高知大学3年生の大庭さんが実習に来てくれました。
彼女は2回目の実習です。
どうぞ、またおいでください。お待ちしています。
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土佐山へき地診療所に寄せていただくのは2回目でした。
前回、「また来たいです。よろしくお願いします」と言って診療所を出て、言葉どおり次に診療所へ行く機会を心待ちにしていました。
前回は彼岸花が満開の初秋。
診療所での診察ってどんな感じなんだろう、と素朴な動機で実習をお願いしました。阿波谷先生をはじめ、診療所の皆さんのとても明るい笑顔、なごやかな診療所の雰囲気がとても印象的でした。次から次へといらっしゃる患者さんも、先生方とまるで親戚かご近所さんのような感じだなと思いました。
往診では、1軒のお宅を訪ねるのに細い道を車で片道20分くらいかかったでしょうか。道中では土佐山の景色を楽しみつつ、一方、内心、予約の患者さんの数も多いのになぁとも思ってもいました。けれども、到着したとき先生方の訪問をとても喜んでいらっしゃるおばあちゃんの姿を見たら、効率的であることよりも大切なことがあるのだな、とふっと感じました。
そのおばあちゃんの家から見える棚田の美しいこと!
ぜひいつまでも住み慣れたご自宅で過ごされるお手伝いを、と思いました。
そして何より、楽しくて勉強になりました。
自分が何のために机に向かっているのか、将来自分は何になりたいのか、
そういったことが具体的にイメージできたのは、医学部に入ってから初めてだったのではないかと思います。また、実際に患者さんに触れると、患者さんの記憶とともに疾患についても肌感覚で覚えているということには驚きました。
見せていただいた疾患について実習後の講義で耳にすると、「あ、あのおばあちゃんが...」と思い出し、不思議と一生懸命勉強する姿勢になっていました。
そのため半年経った今回の実習では、少し欲張って、疾患についても勉強しよう、と思って臨みました。今回は患者さんの数は少ない日でしたが、半年前にお会いした方もいらっしゃって、変わらないお元気そうなお姿にうれしくなりました。
また、今回は3月初旬ということで花粉症の患者さんや、ちょっと立ち寄ってのご相談が多く、ご職業や生活環境もわかっているために細やかな対応ができるのは身近な診療所ならでは、と感じました。
そして、診察の合間の時間には先生がⅩ線写真や症例を見せてくださり、個人教授をしていただくことができました。
Ⅹ線写真を見て「わかる?」と聞かれ、うーんと考える。
「これは誰々のおじいちゃんの胸の写真だよ」と言われると、おじいちゃんが診察にいらっしゃる姿を想像し、ますます考える。
わからない。
先生に解説していただく。
「あ、習いました...。そうか!」
一ヶ月程前に試験のために詰め込んだ知識は見事に消えているのですが、診療所で見聞きすると、生きたものとして思い出し、興味を深めることができたように思います。
患者さんお一人お一人からは体感する勉強をさせていただき、看護師の香川さん、岩神さんには、患者さんを家族にしてしまう明るさとコミュニケーションを見させていただき、そして、阿波谷先生にはお忙しい中様々なことをご教示いただき、お世話になりました診療所の皆様に心より感謝しております。
そして、また行かせていただきたいと思っています。今後ともどうぞよろしくお願いします。
高知市の北部、JR高知駅から車で20分ほど峠道を駆け上がると、そこは旧・土佐山村。鏡川の源流の畔の風光明媚な土佐山地区に高知市立土佐山へき地診療所があります。 2008年7月1日から高知大学が指定管理をしています。 若い先生に地域医療の醍醐味を伝えたい-そんな想いで運営していきます。
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