医学科1年生の浅野真歩さんが実習に来てくれました。EME初期臨床医学体験での教材などが印象に残って自主的においでてもらいました。嬉しいことです。
また、いつでも実習にお越しください。
「土佐山診療所 一日実習感想」
医学科1年 浅野真歩
今回はありがとうございました。高校の時に、授業の一環で九州大学医学部の見学や解剖実習などを通して、現場の様子や人体の仕組みについて触れることはありましたが、実際に医師の目線で現場を見たことがありませんでした。新型コロナウイルス感染症の影響で本来あったはずの実習もなくなり、現場の空気を体験する機会が遠ざかったと残念に思っていたところ、先生のご厚意で今回のような場を設けていただきました。ありがとうございます。
今回の実習で最も印象に残ったことは、阿波谷先生と患者さんの間の信頼関係です。どの患者さんも阿波谷先生のことを信頼していて、気軽に相談していると感じました。診察の合間に、患者さんとの雑談も大切だと教えていただきました。雑談を通して、患者さんの価値観や背景を知り、患者さんとの信頼関係を構築することができるということは、EME初期臨床医学体験実習の講義でもおっしゃっていましたが、今回の実習での診察の様子を通して、実感することができました。最近起こったことについてただ話しているように見える会話でも、患者さんの家族や、死生観、経済状況などの多くのことを知ることができ、その後の治療方針を決めるうえで患者さんにあった治療を進めることができると知りました。また、雑談をすることで患者さんとの信頼関係をより築きやすくなるとも知りました。雑談の中から、一つ一つの情報をくみ取ることは容易ではないと思いますが、阿波谷先生の観察力や患者さんに対する気配りを見習って、より深い信頼関係を築くことができるよう頑張っていきたいと思いました。
また、先生は不安を強く感じる患者さんに対しては、その不安をしっかりと取り除くよう努めていました。不安でたまらないという患者さんの不安を取り除くことは難しく、繊細なことだと思っています。薬を大量に処方して終わらせる医師も多いと聞きます。薬を処方したから大丈夫といって終わると、その時は問題なくても、その後薬が必要なくなったときに、薬をやめることが不安になる患者さんもいると教えていただきました。その時の症状を治すことだけでなく、薬をやめるときのことも考える必要があるということは初めて知りました。また、説明する言葉にも気を付けていると気づきました。患者さんが分かりやすいように、患者さんにとって身近なものに例えて説明していました。言葉だけでなく、検査をする際は、その検査がなぜ必要なのかを丁寧に説明していました。これらは、すべきことだとは思っていますが、実際に目にして、実践するのは難しいと思いました。しかしながら、今後そういった説明を行えるよう頑張っていきたいと思います。
他にも、心電図やレントゲン、エコーなども見させていただきました。心電図の波形の乱れの原因や、レントゲンやエコーで見える臓器の見え方など、医学知識がほとんどない私にわかるように丁寧に説明していただきました。これらを見ていく中で、正確な治療を行うためには、医学知識が必要不可欠だが、患者さんと向かい合っているときは医学知識よりも必要なものも多いと気づきました。また、聴診器で呼吸音や心音を聞かせていただきました。聴診器を当てる位置にも意味があることは初めて知り、驚きました。肺線維症の方の呼吸音ははじめ、他の患者さんとの違いがなんとなくしか分かりませんでしたが、その後の患者さんの呼吸音を聞くことで、肺線維症の方の呼吸音には、こもった雑音が入っていたという違いに気づくことができました。
私は患者さんの心身を共にケアできる医師になりたいと思っています。今回の実習で阿波谷先生が患者さんとの雑談の中で何気なくケアしているのを見て、患者さんの心のケアは想像していたよりも繊細で細かい心遣いが必要だと気づきました。今後大学生活を送る中で、患者さんにあった十分な治療を行うことができるよう、医学知識だけでなく、自身の内面についても磨いていきたいと思います。そして、少しでも自分の目指す医師に近づけるよう努力したいと思います。今回は貴重な体験をさせていただきありがとうございました。
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