医学科3年生の兼竹さんが見学実習に来てくれました。
外来診察を一緒にやったり、訪問診療に一緒に行ったりしました。
単に医学的なことだけじゃなく、生活背景も知ることが患者さんとの良好な関係に大事だと気付いてくれたようで、うれしく思います。
また、いつでも実習においでください。(阿波谷)
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土佐山診療所での実習で学んだこと
医学科3年 兼竹里奈
8月27日、9月1日に土佐山診療所で実習をさせていただきました。診療所での様子を見学させていただくのは初めてで、医師1人ということでどのような様子なのか実習前は想像がつきませんでした。
阿波谷先生と佐野先生の診察、往診を見学させていただきましたが、どちらの先生も患者さんとの関係性、信頼関係を大切にされていると感じました。医師、看護師を含め、土佐山診療所で働いている皆さんが患者さんの名前、病態だけではなく、住んでいる場所、生活状況、家族の状況、仕事など様々なことを把握されていました。診察の際に家庭状況や経済状況、普段の生活を知っていることでより適切な治療やアドバイスができると思いました。経済的に余裕がない患者さんの場合には、負担にならない範囲内で最適な医療を考える必要があり、また、栄養指導をする際にもその患者さんが福祉施設に入所しているか、自炊しているか、家族が作ってくれるのかによって状況は異なり、生活背景は大切だと思いました。背景を知っている医師に診察してもらうことで患者さんも安心して医療を受けることができ、より良好な信頼関係を築くことができると思います。
患者さんは医療に直接関わることだけではなく、生活の中で困っていることや最近起こった出来事など様々なことを話されており、このようなことを話せる医師・患者関係は重要だと思いました。一見医療には関係のない話に思えても、そこから見えてくる生活の問題があることもあり、認知・記憶機能の確認にもつながります。診療所で先生と話すことで患者さんは安心感を得られ、「先生と話して元気が出た。今日も頑張れる。」と話している患者さんもおり、私も患者さんにこう言ってもらえるような医師になりたいと思いました。近年では、診察の待ち時間が長く、実際に先生に診察してもらえるのは5分程度というような話をよく耳にします。患者さんの人数など、状況によっては仕方がないかもしれませんが、患者さんは高齢者が多く、緊急性を有さない定期受診の場合には、患者さんも安心感を得たいと思います。また高齢者の患者さんの中には一人暮らしで他の人と話す機会が少ない方もいらっしゃり、診療所に来て先生と話をし、安心して帰るということは地域において大切なことだと思いました。
今回の実習で、大学病院などの大きな病院と地域の診療所では診察の様子が大きく異なり、そこで求められる医療も異なることが分かりました。地域で医療をする際には、まず地域を知り、住民がどのようなことをしているのか、何を求めているのかを探ることが大切だと思いました。また、地域をみるということは、高齢者だけではなく若者、子供も診察できるような幅広い医学知識や診療科の枠組みを超えた診察技術が必要であり、2年生のときに勉強した解剖や生理学が疎かである私はまだまだ勉強を頑張らなくてはいけないと思いました。
最後になりましたが、昨今のこのような状況の中で実習を受け入れて下さり、本当にありがとうございました。診療所での様子を知ることで、将来のことやこれから自分がやるべきことを改めて考える機会となり、とても有意義な実習となりました。
ご指導してくださった土佐山診療所の先生方・スタッフの皆さん、診察に同席したり聴診することを快く受け入れてくださった患者さん、本当にありがとうございました。
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