全国的にノロウイルスによる嘔吐下痢症が流行中です。例年、この時期に流行するのですが、今年はウイルスが変異したことで、免疫が十分になく、爆発的に流行しているようです。 土佐山でも患者さんが発生しています。みなさん十分にお気を付け下さい。 普段のこまめな手洗いがもっとも大切ですが、もし、家族内で嘔吐下痢の方が発生した時は、おう吐物の処理などに注意が必要です。詳しくは、以下の厚生労働省のポスターをご覧ください。「次亜塩素酸ナトリウム」という消毒薬の名前が出てきますが、これは皆さん、よくご存知のキッチンハイタ―のことです。 http://www.mhlw.go.jp/topics/syokuchu/dl/link01-01_leaf01.pdf ところで、診療所でノロウイルスの検査ができないか?というお問い合わせをいただいたりします。 ノロウイルスの検査は、下痢便を専用のキットで分析して15分ほどで結果が出ます。しかし、診療所では、この検査キットを準備していません。どうしてかと言いますと、ノロウイルスと診断しても専用の治療法があるわけではないことが、まず挙げられます。検査の結果が陰性でも陽性でも対処方法が同じなので、検査をする意味がないということなのです。 実際、保険診療ではすべての方に認められるわけではなく、ノロウイルス感染症が疑われる方で、①3歳未満の患者、②65歳以上の患者、③悪性腫瘍の診断が確定している患者、④臓器移植後の患者、⑤抗悪性腫瘍剤、免疫抑制剤、又は免疫抑制効果のある薬剤を投与中の患者、しか保険がききません。 また、この検査は、ノロウイルス感染症の方に検査しても70-80%くらいにしか陽性にならないと言われています。例えばノロウイルスが流行している時期(腸炎の症状がある10人のうち9人がノロウイルス)という状況を想定した場合、もし、この検査が陰性であっても計算上は75%の確率でノロウイルス感染症ということになります。 お仕事で調理など食品を扱う方は、ノロウイルスが原因かどうかはすごく気になるとは思いますが、嘔吐下痢の方は、仮に検査が陰性であってもお仕事をしない方が無難です。もちろん、ノロウイルスでなくても嘔吐下痢の症状があれば、食品を扱うことは避けるべきです。 症状が出た場合は、軽症であれば、水分補給で様子を見ることになりますが、
高知市の北部、JR高知駅から車で20分ほど峠道を駆け上がると、そこは旧・土佐山村。鏡川の源流の畔の風光明媚な土佐山地区に高知市立土佐山へき地診療所があります。 2008年7月1日から高知大学が指定管理をしています。 若い先生に地域医療の醍醐味を伝えたい-そんな想いで運営していきます。