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9月, 2020の投稿を表示しています

曼珠沙華が咲いています

 少し朝夕が涼しくなってきました。  土佐山では、曼珠沙華がたくさん咲いています。  高知市内は8月には稲刈りが終わりますが、稲刈りの遅い土佐山は実った稲穂と曼珠沙華を同時に見ることができます。

2年生の川添君が実習に来てくれていました

 9月25日(金)に2年生の川添達也君が実習に来てくれていました。  実習を始めるにあたり、一緒に学習目標を考えました。「どんな医師になりたい?」という入試面接のような感じで話をしていくと、「患者さんに寄り添う」という言葉がでてきました。「患者さんに寄り添う」ってどういうことなんだろう? 言葉は美しいんだけど、具体的にこれをしたら「寄り添っている」と言うものがあるわけじゃないよね。患者さんとの間で発生したことに対して、どのように対処するか、言葉をかけるか、具体的な行動一つ一つの背後にある考え方、倫理観のようなことが、ぼんやりと「寄り添い」ということなんだろうと思います。  一日、一緒に過ごしてみて、言葉や態度から、「寄り添う」ことを一緒に考えてみることにしました。  感想文を読むと、私が思う以上に、しっかり受け止めてくれていたようです。豊かな感性を持っていることがうかがえて、とても嬉しく思います。また、いつでも学びに来てください。(阿波谷) ----------------------------------------------------------------------------- 地域医療実習を終えて 高知大学医学部医学科2年 川添達也 今回初めて土佐山診療所に行かせていただいて、様々な面で多くのことを学ぶことができました。まず今回の実習の目標は、「患者さんに寄り添う」とは具体的にどういう事をすればよいのかを考えることでした。そのため、阿波谷先生の診察を見学させていただきながら、先生がどんなことを話しているのか、どんな表情で患者さんと接しているのかを特に意識して見ていました。そして僕が診察を見ていて、気づいた点は4つあります。1つ目は患者さんの病気の状態だけでなく、少しプライベートな話にも耳を傾けていたことです。患者さんの世帯状況や経済的状況まで把握しており、経済的に薬や診察の代金を払うことができるのかということを考えたり、同じ成分の薬でも値段が異なることから、薬の値段を加味してできるだけ安価な薬を処方するようにしていたりというような対応を行っていました。また、家族間の問題についても考えなければならないとおっしゃっていました。 2つ目は、患者さんには気づかれないようにいろいろなチェックをしていたことです。診察の前に体重を測ってもらい、体重の増減から、き

医学科1年生の高田さんが実習に来てくれていました

 1年生の髙田さんが、実習に来てくれていました。あまり患者さんが多い日ではなかったのですが、積極的に学んでくれていたのが印象的でした。何か少しでも将来の医師像のヒントになっていると嬉しく思います。また、いつでも実習においでください。(阿波谷) ※ いっぱい話をしていて、記念写真を撮り忘れました。 -------------------------------------------------------- 土佐山診療所での実習を終えて                             医学科1年       髙田佳愛  今回、土佐山診療所で実習をさせていただきました。世の中では自粛が叫ばれているコロナ禍で、本来ならできていたはずの授業を通した実習ができない日々が続いていました。そんな中、私の実習を快く受けてくださった土佐山診療所の皆さんには、感謝の気持ちでいっぱいです。1日という短い時間ではありましたが、土佐山診療所での実習はとても有意義な時間となりました。  実習を通して印象に残っているのは、医師と患者さんの信頼関係です。どの患者さんも、診察室に入り阿波谷先生の顔を見ると自然と笑みがこぼれていました。それだけ阿波谷先生のことを信頼しているのだと感じました。診察では、病気のことだけでなく、患者さんとの世間話を通して、患者さんが死に対してどういった考えを持っているのか、なぜそのように思ったのかなどを自然に聞き取り、カルテに記載していました。阿波谷先生は患者さんから話を聞き出すのがうまく、私も将来このような医師になりたいという医師像が一つできました。  他にも、土佐山診療所には薬剤師がいないため、処方箋を見て看護師が事前に薬の一包化を行ったり、患者さんが飲み忘れのないように、薬をカレンダーに貼り付けていました。しかも、薬剤師が行っていないため、一包化にお金はいただけない完全サービスであるということに驚きました。時間のかかる薬の一包化の作業ですが、患者さんのことを思って快く行っているところに患者さんへの思いやりを感じました。  また、患者さんの年齢層にとても驚いたのを覚えています。へき地医療というと、私の中では主に高齢者を診るというイメージがありました。しかし、土佐山診療所では1歳の子どもから93歳のおばあちゃんまでと幅広い年代の方が来られていました。今回の実習で

1年生 古川智捺さん 実習感想文

 1年生の古川智捺さんが、実習に来てくれました。  彼女は映画「 こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話 」で扱われた学生ヘルパーを高知で実現させたいと思っているそうです。ただ思うだけじゃなく、すでに大学病院の地域医療連携室や、訪問看護ステーションなどで話を聞いたりして、どうすれば実現できるのかを考えているようです。実習の合間にそのようなお話を聞かせてもらいました。とても素晴らしい医学生です。私も応援します!  さて、実習も積極的に取り組んでくれました。診察のときに私の背後で話を聞き、一緒に聴診器を当てたり、触診したりしました。患者さんが退室された後は、私の横に来て、カルテに何を書いているのかを前のめりで見ていました。いままで数多くの学生さんが診療所を訪れましたが、自分からカルテを見ようとした人は初めてかもしれません。積極的な姿勢は、自分の成長に繋がります。ぜひ、今後も続けて欲しいと思います。  感想文が届きました。私が冗談交じりでお話した「柳町バーのママさん理論」を一番に挙げてくれているところにも、彼女らしさが見えます。また、いつでも実習においでください(阿波谷)。 ---------------------------------------------------------------------- 土佐山診療所研修レポート        高知大学医学部医学科1年 古川智捺  今回の研修で最も印象に残っていることは「バーのママさん理論」です。これはバーのママさんが一度来たお客さんの名前を覚えており、「3ヶ月くらい前に○○さんと来てくれた方ね」と声をかけることで、お客さんを大事に思っていることが伝わることから来ています。阿波谷先生も患者さんの名前や前に持っていた疾患、家の様子などを覚えていて、「家の前の坂に気をつけてね」などと声をかけていました。たしかに、私がそのような言葉をかけられたら、自分のことを知っていて、気にかけてくれているとうれしくなります。実際、美容院に行くときは私が前にいつ来て、どれくらいの長さに切ったかを覚えていてくれるところに行っています。  しかし、どのようにして患者さん一人一人のことを覚えているのでしょうか。阿波谷先生はカルテに患者さんが最近興味を持っていることをメモしていました。例えば、前回患者さんが好きな相撲とりの話をしていたらそれをメ

3年生笹岡歩乃佳さんが見学に来てくれました。有り難うございました。以来、「Learning Medicine in English」の勉強会にも来てくれてます。

  個別地域医療実習を終えて                               高知大学医学部医学科 3 年 笹岡 歩乃佳 今回、初めて土佐山へき地診療所で実習をさせて頂き、医療の本来あるべき姿や、自分自身の今後の学習の方向性、また、一人の人間としての生き方に至るまで、様々なことへの気づきや学びを得させて頂きました。  まず、この実習を機に、医学を学ぶ上で非常に重要だと感じたことは、「臨床に活かすことを前提に学ぶ」ということです。診察を終えた患者さんの病態や診断の整理を佐野先生とさせていただいた時、患者さんの訴えや症状から、よくある原因疾患と、頻度は少ないが重要な疾患、この両方がすぐに具体的な病名として出てくるかが大切だと教えて頂きました。私は、その時手も足も出ず、今までこのような枠組みを意識して学べていなかったことを痛感しました。そして、それではただ雑多な知識の詰込みになってしまい、適切に臨床に活かせない方向に向かってしまっていたと気づかされました。きちんと具体的な鑑別疾患名が思いつき、それを患者さんにきちんと説明できるということは医師としては大前提の能力であるため、先生のおっしゃるようにこの時期から、臨床を意識した上で、筋道立った思考ができるようになるための学習を今後は行っていきたいと思いました。 また、将来医師として働く上で決して忘れてはいけないこととして、「基本に忠実に、患者のための医療を行う」ということの重要性を改めて学びました。佐野先生の診察を見学させて頂いて、特に印象に残っていることがいくつかあります。まず、ある患者さんから薬の処方について質問があった際、先生は、患者さんが納得した様子を示して下さるまで、紙に全ての薬剤名とその効能を列挙して見せながら、なぜこの処方をやめるのか、続けるのかということを、根拠を持って非常に分かりやすく説明されていました。その上で、医学的な利点のみでなく、実際に目の前の患者さんが求めていること、重要視していることも聞き出して最終的な決定をされていて、医療の理想の形だと強く感じました。また、他の診察では、診断に行きついた過程を、挙げた鑑別診断からどのように絞っていったのかという詳しい説明を踏まえて患者さんやご家族と丁寧に共有されていました。さらに、一日を通して、先生は単なる診察だけでなく、患者さんの生活状況までを自然

1年生村田勇斗君が見学に来てくれました。有り難うございました。

  土佐山へき地診療所実習 (8/17,18) 村田 勇斗 高知市内から山と川に挟まれた道を北に進んだところにある土佐山は、私が生まれ育った町に比べると人も建物も非常に少ない、まさしくへき地であった。診療所での対応が困難で緊急性の要する患者が出た場合、救急車を呼ぶと時間がかかり過ぎてしまうため、患者の家族に山の麓まで連れて行ってもらうほどである。時にはドクターヘリを要請するという話を聴いたときには驚いたものだ。地域の特色上患者のほとんどが高齢者であり、認知症の疑いがある患者も多く、主に高血圧や糖尿病、ひざなどの関節痛により診療所に通っている。私が実習に行ったのは丁度お盆の時期であったため、患者が少なく、些細な事も含めて患者の気になることを聴き、ゆっくり丁寧に対応することができた診察であった。 私は診察で、大学の授業で受けた患者とのコミュニケーション以外にも、新たに多くのものを得ることができた。聴診器を通して心音を聴いたり、肺の大きさを測る打診や手術による縫合の処置を見たり、初めて経験することばかりであった。他にも、脳の萎縮する部位の順番やその部位が司る機能を知った上で、認知症の進行度を診断する具体的な方法など、ごく一部ではあるが、症状の出るメカニズムを知ることで理屈的に判断する術を学び、多岐にわたる濃密な時間となった。その診察の中でも印象に残ったのが、患者の服用している薬の異常な量である。様々な病院で高血圧や糖尿病などに対する医薬品を処方してもらっている高齢者は少なくなく、 10 種類を超える薬を毎日飲んでいる患者までいた。金銭的負担に加えて副作用による身体的負担も重く、かかりつけの診療所や家庭医が患者の服用している薬を把握する必要があるという、実際に医療現場に立つことで見えてくるものもあった。 実習の 2 日目には、とある糖尿病患者の家に往診する貴重な機会に巡り合うことができた。入院したくないという患者の思いや、早く治ってほしいという家族の思いに触れるとともに、両者の思いを汲み取った先生の対応を近くで学ぶことができた。入院しないで血糖値を抑えるために、家族に器具の使い方を教えてインスリン注射をしてもらう方向で進め、患者が食べているものを実際に見せてもらい、食事を担当している人に食材を見せながら料理を提案するという往診だからこそできる手段で、具体的かつわかりやすい生

3年生大西由記さんが2日間見学に来てくれました。有り難うございました。

                 土佐山診療所での実習を終えて                                        大西由記  今回、土佐山診療所で2日間実習をさせていただきました。これまで大学病院や幡多けんみん病院での実習に参加したことはありますが、土佐山診療所のようなへき地の診療所での実習には初めて参加しました。 2 日間、地域医療を長い間行ってきた先生方の下で勉強させていただけて、とても貴重で有意義な実習でした。  2日間の実習を通して、糖尿病などの生活習慣病の患者さんや肩や腰の痛みを持つ患者さん以外に、予防接種を受ける患者さんや怪我の処置を受ける患者さんなど、幅広い目的の患者さん達が来院されていて、往診にも同行させていただきました。土佐山診療所のような診療所で医療を提供する医師は、それぞれの家庭や地域に注目して General medicine つまり全科医療を行います。呼吸器内科や消化器内科、循環器内科などのようなそれぞれの専門科領域に分けた医療ではなく、患者さんのバックグラウンドを考慮してカスタマイズした医療を提供する患者さんありきの医療を行う必要があります。そして、患者さんに寄り添いながら、生活習慣をしっかり聞き、食事療法や運動療法のモチベーションをあげながら具体的なアドバイスをする必要があります。地域医療を担う医師は本当に多くのことを診ることが出来ないといけないと実感しました。  先生方と患者さんのコミュニケーションについても近くで見ることで学べたことが多くありました。先生方は学生と話すときと比べて、土佐弁を多く使いながら患者さんとお話ししているように感じました。また、長く診てきている患者さんだからこそ、表情からも情報を得やすいということを教えていただきました。そして診療をする中で、患者さんが食事や運動の改善をしていると言っていても、実際治療するためには不十分なこともあり、患者さんの話してくれたことをもっと掘り下げて聞いていくことが必要だということを学びました。他に、高齢者の方とコミュニケーションを取る際には身体に触れながら、親しみを持って接することもあると教えていただきました。  今回来られていた患者さんの多くが「先生がそう言うやったらやってみる」とか「次また先生に会いに来るのを楽しみにして頑張る」というようにおっしゃって